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文化の壁を越えて友情は作れるのか?

2011年06月02日 02:38

今日は二つめの試験でした。
Cross Cultural Managementという、文化の違いをいかにマネジメント
するか、というトピックを扱ったコースです。

まあ、試験はまあまあ何とかなった、という感じなのですが、その試験を
終えて家に帰る途中で、ふと、このコースで学んだことをベースに学校での
友人関係を分析するとどうなるのだろう?ということを思いつきました。

よくある、「男女の友情関係は成り立つのか?」ほど、賛成派と反対派で
議論が分かれる類いの問題ではありませんが、ひとしきり考えてみたいと
思います。


1.理論編

まず、文化とは何か?ということと、それがどう人間関係に影響するか?
ということが問題になります。

文化とはいろんな定義がありますが、「特定の共同体に属する多くの人が
共有している、価値観、態度、ものの見方、行動」といった感じで
定義されます。

文字にしてみると至極当たり前なのですが、研究からは、
「文化が似ている者どうしは、つきあいやすい」
「時間を長く過ごすことで、徐々に共通理解が形成されることで
つきあいやすくなる」と言うことが分かっています。

例えば、多くの文化からの出身者が混在するチームを作ると、価値観や
物の見方が異なるせいで、コミュニケーションがうまくいかず、
得てしてパフォーマンスは上がりにくいようです。

ただ、チームで働き始めて時間が経つと、共通の課題に取り組む中で
徐々に共通の理解が醸成され、そうした問題は解決される傾向があります。
そしてむしろ、文化的多様性による様々な視点が持ち込まれるという、
プラスの効果が顕在化して来ます。

一方で、二つのカルチャーしか含まないようなチーム、例えば、
イギリス人と日本人3人ずつでチームを作ると、全く違う現象が起こります。
同じ文化どうしでサブグループを形成し始めるのです。

この例の場合、イギリス組と日本組にサブグループが分かれてしまい、
それぞれがそれぞれのやり方で仕事をやり始めます。そして、自然と
「あいつらvsおれたち」というマインドが形成されてしまい、最終的には
感情的な対立に陥ることもままある、ということが研究で報告されています。


2.現実編

このように、文化が近い者同士はつるみやすい、というのが、
分かっているのですが、では、それを現実の学校での友人関係に当てはめると
どうなるのか、です。

さて、学校の帰り道につらつらと考えていたのですが、僕が学校で、
「良い友人関係が作れた」と感じている人たちには、3つのカテゴリが
あることが分かりました。(日本人学生は除きます)

1. 同じプログラムの同級生で、複数のコースを一緒にとっており、
  なおかつ、グループワーク等で一緒に行動する機会が多かった学生群

  この集団は実に多国籍で、アメリカ、オランダ、スウェーデン、
  ドイツ、イタリア、ロシア、トルコ、ペルー等を含みます。


2. 他のプログラムの同級生だが、特定のコースを一緒にとっており、
  グループワークで一緒に行動する機会があった学生群

  この集団は、今日初めて気づいたのですが、実は非常に偏っており、
  中国人または華僑系マレーシア人に限られます。実際には、他にも
  多くの人とグループを組んでおり、例えば、ドイツ、インド、アメリカ、
  フランス、トルコなど、上とも重複する国籍のメンバーもいるのですが、
  彼らとはそれほどの関係を作るには至っていません。


3. 個人的になぜか気があって、ワークは一緒にしてないけど、良く喋る
  チャンスがあった学生群。インド人、中国人、ブラジル人など。
  考えてみると、社会人経験が比較的きちんとある人が多い。


ほら、面白いですよね。
つまり、関係性を育むだけの時間をしっかり一緒に過ごせると、
文化に関係なく友人関係ができるのですが、そうでないケースは、
文化やキャリア面での共通点が無いと難しいようです。
勿論、個人的な経験則なので、本当に一般的に当てはまるかどうかは
良くわかりませんが。


3.結論と考察

上記の考察から考えると、タイトルの問いに対する僕の答えは、
「イエス、可能です。しかし、意図的な努力が要ります」です。

意図的な努力、と書いたのは、実はこれはそれほど簡単ではないようだ、
と言うことを、他の学生を観察していて感じたからです。

LSEでは、中国人の学生達が、中国人だけで集まって勉強している姿を
結構一般的に目にします。留学前に聞いた留学経験者の話でも、
日本人も、ついつい日本人だけ、あるいは、アジア系の留学生とだけ
つるみがちになる、と言う傾向があるようです。
(LSEでは、日本人の学生が非常に少ないので、日本人だけでは
つるみようがないのですが。)


これは、実は東アジアに顕著な傾向でして、文化的にも
in-group collectivismという概念で説明がつきます。

in-group collectivismとは、自分が「内輪」と見なした人たちに対して
強い愛着や忠誠心を抱きがち、という傾向なのですが、東アジアは結構
この傾向が強いのです。そして、この傾向は「似た者同士で集まる」
行動を強化するように働きます。

なので、僕たち日本人は衝動的に、日本人、あるいは文化的に
共通性が高くて、見た目も似ていて、さらに英語がそんなに流暢じゃ
ない(まあ日本人より総じて見んな上手ですが)、アジアの人たちと
ついついつるみがちなんですね。

僕の場合は、グループ構成が結構強制的に行われた、ということと、
留学前に話を聞いていた先達たちの話を元に意図的にいろんな国籍の
メンバーとチームを組むようにしてきたということで、
上記のような結果になっているのですが、まあ、それにしても、
それなりに大変だったな、と言う実感もあります。

と、いうことで、海外に留学して、多国籍の人脈を作ろう、と
お考えの皆さんには、前向きなエールを送って、今回の記事を
締めたいと思います。
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