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LSEにおける試験システム

2011年05月28日 07:28

さて、試験シーズンまっただ中な訳ですが、そろそろ試験勉強にも
飽きたので、ブログの更新など。

今日はイギリスの大学に於ける試験システムについて書こうと思います。
イギリスの大学、といっても勿論LSEのことしか分かりませんので、
LSEにおける試験システム、と言うことになります。

まず、一般論として、どのように生徒の成績が評価(アセスメント)
されるか、ですが、多くのコースが、学生のアセスメントを二つか三つ
の手法の組み合わせで行います。マネジメント系のコースで
代表的なのは(他も多分そんなに変わらないと思いますが)

-エッセー
-プレゼン
-試験

の組み合わせです。エッセーとプレゼンは個人で行う場合もあれば、
グループで行ってグループ全員が同じ点数を貰うと言う場合もあります。
そして、評価上のウェイトは、エッセーやプレゼンが1に対して、
試験は2というパターンが多いようです。

つまり、

- エッセー1つ、プレゼン1つ、試験1つという場合は、
 エッセー25%、プレゼン25%、試験50%という風なウェイトになり、

- エッセー1つ、試験1つと言う場合は、
 エッセー30~40%、試験が60~70%というウェイトになる、

というような具合です。勿論細かなウェイトの設定は先生ごとに
いろいろですけどね。また、場合によっては試験がなく、エッセーや
プレゼンのみで評価が決まるコースもあります。僕の場合は一つだけ、
そういうのがありました。


MT(10~12月)、LT(1~3月)のいずれに行われた授業で
あろうとも、多くの場合、試験はサマーターム(5月~6月)に
行われます。

つまり、サマータームは試験の季節な訳ですね。幾つかの建物が
試験専用のビルになり、朝の10時頃~と、午後の2時頃~の二つの
スロットで、試験が粛々と毎日(?)行われているようです。

そして、MTの授業については、もうすっかり忘却の彼方にある
場合も多いため、また、多くの学生が授業の必須のリーディングを
すべて読んでいる訳ではないため、試験期間は多くの学生が
必死でリビジョン(復習)をする時期になり、図書館はあたかも
戦場のような雰囲気になっている、と言う訳です。


試験に関しては比較的レギュレーションがしっかりしており、
持ち込んでよいのは筆記用具や個人のID、個人ごとの試験の
タイムテーブル(学校のサイトからダウンロードします)のみ。
ま、カンニング防止と言う観点で当然ですね。
あ、計算が持ち込み可能なコースや、特定の資料を持ち込んで
良い設定になっているコースも個別にはありますので、あくまでも
一般的なルールです。

ちなみに、僕は一つ目の試験の前日に、改めてレギュレーションを
読んでみたのですが、非常に愉快(?)な文章を発見して思わず
なんじゃそりゃ、とつぶやいてしまいました。

「試験問題を開いて、それが予測していたものと大きく違っても
驚かないように。試験官は、意図的に前年度等の試験問題と異なる
形式の設問をすることがあります。また、試験問題は、LSEの教育
方針として、意図的に難しく作られています。」

文句を言う学生が過去に居たのかもしれませんね。
あるいはパニクっちゃう学生とか。まあ、ほぼ1年間の成果が
これ一発で決まる、と言うこともあるので、中々緊張感が高い、
ということだと思います。

僕は、最高評価のディスティンクションを目指すのは、これまでの
エッセーやプレゼンでそれなりに好成績がとれているコースだけにして、
他のコースはまあ、メリットの真ん中へんがとれれば良いや、
と思ってやっています。まあ、あと二週間でそれも終わってしまい、
いよいよ、残るは卒論だけになってしまいます。
1年のコースは本当にあっという間。せいぜい、多くを学び取って
かえれるよう、試験という機会を有効に使っていこうと思います。
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春休み: リビジョン(復習)を満喫。

2011年05月02日 08:24

さて、早くも4月の下旬になり、日本ではゴールデンウィークに突入して
おりますが、LSEはいよいよ試験が目白押しのサマータームに向けて、
学生達が必死で勉学に勤しむ時期に突入しています。
(まだ一応、イースター休暇中なんですが)

最近は、休暇のため幾つかの大きなビルが閉まっているため、図書館は連日
満員御礼状態が続いております。午後に行くともう席が一つも空いてない、
みたいな状況で、困ったものです。

と、いうことで、今日は春休みの過ごし方、それからリビジョン(復習ですね)
の進め方について書いてみようと思います。よく考えると、大学時代に
まじめに勉強されてた方には当たり前すぎる内容のような気がしますが、
僕の場合は全くそうではなかったので、結構発見がありました。


1. 過ごし方はひとそれぞれ

サマータームは基本的に試験と試験に向けた復習、そして、卒業論文執筆
のタームで、授業は殆どありません。ですから、学生達は自分たちで
スケジュールをたて、粛々と勉強を進める必要があります。

学生により、イースター休暇は休暇だと割り切って、ある程度まとめて
休んでしまう学生もいれば、ずっとロンドンで勉強している学生もいて、
かなりのばらつきがあります。

僕の場合は、試験が早々にあり、なおかつ課題も多い、ということ、
そして、どちらかというと一気に根を詰めてやるよりも、粛々と一定の
ペースで無理せず積み上げていくのが好きなタイプですので、春休みは
殆どどこにも出かけず、ほぼ毎日勉強していました。

まあ、さすがに部屋にこもって勉強だけだと、肉体的にも精神的にも
病んできますので、できるだけ毎日、近所にあるリージェンツパーク
に散歩あるいはジョギングに行き、体を動かして自然に触れて、
気分転換はしています。

あとは、夜は適宜飲んだり食事に行ったりは、もちろんしてます。
(逆に言うとそれが無いときついので、根を詰めてまとめてやるよりも、
前もって粛々と進める方が好きなんですが)


2. リビジョンの進め方

人によって色々やり方はあるでしょうけども、周りの学生の話や講師の
話を参考に以下のような段取りで進めてます。

① 授業のスライドと、各回のリーディングをもう一度読み直し、
  論点をまとめたメモを作る。概念定義、主要な学説、それから、
  実証研究の結果など。

  ある講師から薦められて、
  - 最初はキーになる概念を全部盛り込んだまとめを作る
   (当然、分量は結構多めになります)
  - ②や③をやりつつ、頭に入ったものは省いた、さらに密度の
    濃いものをまとめ直す、
  という段取りを、やってみましたが、非常に効果的な印象があります。

② 概念/学説間の関係を、他の学生と一緒に議論しながら概念図や、
  表としてまとめていく。各授業がそれなりに多様なトピックを
  扱っているものの、試験ではそれらを総合して問いに答えることが
  求められるので、こういう概念関連づけは結構大切です。
  何よりも、バラバラに覚えるより頭に入りやすいですし。

③ 過去問(学校のウェブサイトから手に入ります)を他の学生と
  一緒に議論しながら解いてみる。


まあ、これに加えて、合間に課題のエッセーを書いていく訳ですが、
課題も勿論授業の内容をもとに書くわけですので、①~③での整理が
うまく進んでいると
かなりエッセーを書くのも楽になります。

基本的には、①は個人で粛々とやるしかありませんが、②や③はやっぱり
他の学生と一緒にやった方が複数の視点が加わりますし、やっぱり会話の
なかから生まれる発見もあるので、生産的です。

また、①に関しても、②③を他の学生と一緒にやることで得るものがあります。
というのも、各授業のリーディングリストが、key reading(必読)、
Further reading(興味があって深掘りしたい人はこれも読んでみよう)
の2分類で構成されてまして。Further readingをどこまで読むかは、それこを
人によって違っているため、②や③をやっているときに、他の学生が自分が
読んでいない論文を薦められることがままある訳です。

また、選択授業で取っている授業も学生によって違いますので、
「他のコースで読んだ論文だけど、これも良いよ」的な情報をお互いに
共有できるというのも、他の学生と一緒にワークをする上でのメリットに
なります。


3. 結局は「誰と勉強するか」が大事。

以上、読んでいただいて気づかれた方も多いと思いますが、誰と一緒に
勉強するか、が実に大事です。
とある講師からのコメントでは「自分と同じくらいのレベルの勉強家」と
一緒に勉強するのが大事、という話がありました。自分よりもあんまり
勉強していない人と一緒にやると得るものがありませんし、逆に、
自分よりもたくさん、早く進めている人と一緒にやると、変に気が焦って、
これまた良くないとか。まあ、確かにそうだなあ、と思いますよね。

僕の場合は、自分から目をつけて声をかけたメンバーもいますし、
逆に向こうから声をかけられたケースも両方あります。

露骨な言い方になりますが、お互い、あんまり知らない相手や、
自分にとって得にならない相手と一緒にチームを組むことは
普通ありませんから、普段から授業などで貢献をしておくこと、
それから、あんまりメンツを固定せずに、広めの人間関係を作っておく
こと、筋が良かったり、考え方が自分と合いそうなメンバーと
仲良くなっておくこと、などを、事前にやっておけると良い、
と言えそうです。

この辺りは、日本を出る前にMBAなどでの留学経験者に話を聞いた
ときも、今考えてみると同じようなことを言ってたなあ、
と思いますので、ある程度普遍的なポイントと言えそうです。


4. リビジョンは楽しい。

最後になりますが、リビジョンは実に楽しいです。と、いうのも、
タームの最中に初めて読んだときよりも、全体像が見えていることもあり、
改めて読んでみると、一つ一つの論文の意味や、示唆、他の論文との
つながりが非常に明確に理解できるからです。

また、仲間と一緒に、改めて理論同士がどうつながっているのか、
それらが実際のケースにどう当てはめられるのか、と言うことを議論する
というのも、実に知的に面白いです。
自分の考えを口に出して、相手に伝えること自体が、学んだことを
「自分のものにする」プロセスですので、留学が終わった後のことを
考えても効力感がありますしね。

と、言う訳で、苦行では決して無く、むしろ、楽しいのである、
と言うことをお伝えして、今回は締めということで。

コースの振り返り)The Future of the Multinational Firms

2011年05月02日 07:18

この授業は、タイトルは大げさなのですが、内容としては対外直接投資
(Foreign Direct Investment、略してFDI)を中核に据えたものです。

1. 企業がFDIを行うためにはどのような条件が必要なのか、

2. 進出の形態-Acquisition(買収)、Greenfield(自前でゼロから作る)、
Joint venture(現地の企業と合弁する)- の選択に影響を与える条件とは
どのようなものがあるのか

3. FDIの投資先として2000年以降比率が増えているエマージング
マーケットにはどのような特徴があるのか、また、最近出現してきている
エマージングマーケット発の多国籍企業(例えばTata, Haier, Lenovoなど)
の戦略にはどのような特徴があるのか

4. FDIは、投資先国の経済や企業の生産性にどのようなインパクトを
与えるのか(スピルオーバー)

といったテーマが取り扱われました 。ここでは、1と2のみ、
概要をご紹介します。


基本的には、FDIを行う条件は、①進出先での付加価値送出につながる
強みがある、②進出先に資源や市場、制度などの面で魅力がある、
③活動を内部化することにメリットがある、の3つになります。

①と②は半ば自明ですが、③については多少わかりにくいかもしれません。
たとえば、トヨタを例にとると、①トヨタにはコスト/品質に優れた
自動車を作るケイパビリティがあり、②中国にはこれから中流階級が
続々と増える、という意味で、トヨタのケイパビリティを活かして
中国市場に進出することは、魅力的、と言って良いと思います。

そのときに、トヨタとしては、理屈上は

ア)日本で生産して輸出して、現地の企業に現地で売ってもらう、
イ)現地の企業に技術をライセンスして現地で作って売ってもらう、
ウ)自分で進出して自分で作って自分で売る
(あるいは自分で進出して、日本で生産したものを現地で販売する)

という、3つのオプションがあり得ます。アとイの場合、FDIは必要ない
ですから、ウの場合のみ、FDIを行うことになります。

つまり、③の内部化のメリットというのは、アやイのような貿易、
あるいは契約を結んで行う取引形態よりも、ウのような自ら組織を立ち上げ、
運営する、という形態の方が経営的に優れている、ということを意味します。

トヨタの例の場合、アやイだと現地の取引先に技術やブランドを良いように
使われてしまうリスクをコントロールしきれない、そもそもそういうことを
任せるに足るパートナーを今の中国で見つけることが容易ではない、
といった理由から、ウのコストをかけてでも、リターンは大きいと
考えられます。

このように、③の議論は、強みの源泉の性質(主として無形資産か
有形資産か - 無形資産の方が管理がしにくい)と、法制度(契約の履行の
徹底のしやすさ、知的所有権保護のレベル - 低いとリスクが高まる)、
さらには、産業の成熟度(信頼に足るパートナーを見つけられるか)
といった要素が影響しています。

例えば、コカコーラの場合は、ボトリングの部分は特に競争優位の源泉でも
ないため、現地企業に完全に委託してしまっています(上記イのパターン)
が、ブランドの管理や商品開発は 現地法人をつくって内部化(上記ウ)、
さらに、コーラのもととなる原液は本国から輸出することで秘密の
漏洩リスクを最低限に押さえる(上記ア)というミックスになっています。

何が強みの源泉で、リスクを最低限に抑えて最大限の収益を確保するには
どうするか、という点で、非常に合理的に見えます。


さらに、ウを選んだ際に、自前で作るのか、買収するのか、ジョイント
ベンチャーにするのか、といった点が次の意思決定のポイントになりますが、
ここでも上記のような社会制度の未熟さによるリスクの程度が影響します。

例えば、金融市場が成熟していない国では、買収価格の判断材料が少ない
等の点で買収のリスクが高まりますし、政治的リスクが高い国では、
現地のコネクションを手に入れるとともに、投資規模を押さえるという点
でジョイントベンチャーの魅力が高まります。

さらに、別の観点として、 現地の市場を攻略するために、自前のケイパビリティ
やリソースで十分なのか、ローカル市場に対するナレッジや流通網、
ブランドなど、自前で持っていないものを手に入れる必要があるのかといった
要素が絡んできます。また、研究からは、企業側の多様化の度合いや
国際経営の経験、さらには文化的な距離といった要素も進出形態の
意思決定に影響する、という結果が出ているようです。


以上、ざっくりとまとめると、「自前の強みの特徴」「参入する国の
制度的な枠組みの成熟度合い」「参入する国で手に入る資源」がFDIの有り様を
決定する、というのがポイントになります。ですから、Resource Based View
(資源ベースの戦略論),new Institutional economics(新制度経済学),
transaction cost theory(取引費用理論)と言ったあたりが、
関連する研究分野になりますね。


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