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光陰矢の如し

2011年03月09日 10:10

ええと、ずいぶんご無沙汰しております。
久々の更新です。

タイトルの通り、時間がまさに矢のように通り過ぎていくLent Termでした。
まだ、あと2週間残っていますが、概ね終了に向けて、最後の追い込みをかけている
ところです。

このタームは先学期よりも一つ多く授業をとっていることと、
ディサテーションの準備をしているため、忙殺されておりました。
個人的なリフレクションもかねて、各授業の大きな進捗をまとめておきますね。

<Organizations in Economy and Society>

先学期および今学期の前半に学んだ各種のベーシックなビルディングブロック
(新古典派、トランザクションエコノミクス、リソースベースドビュー、
ネットワーク理論など)を使って、実際の市場の成り立ちについて考えていった
のが今期のメインの材料と言えそうです。

主なトピックは、コーポレートガバナンス、国営企業の民営化、
ナレッジ/サービスエコノミーと「モノ」が動く経済との違い、
資本主義の多様性、などになります。

コーポレートガバナンスに関しては、アングロサクソン諸国における
「多くの株主に所有権が分散している」モデルに対して、日本やドイツの
「企業間持ち合い、銀行による株式保有」モデル、あるいは、
スウェーデンや南米、アジア諸国に見られるピラミッドモデル(少数の
家族がピラミッド型の株式保有構造を通じてたくさんの企業を支配)など
の比較と、それによる企業業績や経済成長への影響が主な内容です。
国により、市場制度が違い、それによって企業行動が異なる、
また、市場制度そのものも、企業や裕福な家族の働きかけ(ロビイングとか)
によって作られている、といった、動的な市場の成り立ちについて
考察を深めるのが主眼だったと思います。
また、やはり、ガバナンスのありようはそれなりに企業パフォーマンス
に影響を与えるようで、日本における小泉改革以降の議論にもつながる
話しでありました。

また、民営化に関しては、もう一つの企業のガバナンス形態である
State owned Enterprise (SOEs)と、その民営化によるパフォーマンス
への影響について考えました。先進国における民営化ブーム
(サッチャリズムから始まったらしいです)と、その結果に関する
考察もさることながら、旧共産圏における急激な市場経済への移行
(これらの諸国をTransition economyといいます)に伴う、
民営化の諸形態と、国によるその結果の違いがかなり面白かったです。

さらに、中国の経済発展についても触れてまして。
所有形態としては国あるいは地方自治体が保有している企業が多い
一方で、経営層へのインセンティブの与え方などによって、
効率的な経営を実現している(一般的にSOEsは経営効率が悪い)という、
今までの経営/経済理論では説明のつかないことが中国では行われており、
もしかすると新しい市場モデルを中国が発明しつつあるのかもしれません。

そして、サービス/ナレッジエコノミーに関しては、
やはり、「モノ」ではなくintangibleである、ということに起因する、
所有権帰属の曖昧さ(例えば、企業のコアコンピタンスとしての技術は、
果たして個人が保有しているのか、企業が保有しているのか、等)に
どう対処していくか、が主たる論点でした。
企業間の知識取引の形態を考えてみると、特許のライセンシングなどは
分かりやすい例ですが、他にも人材の引き抜き、コンサルティング契約、
ジョイントベンチャー、買収なども全て知識の取引の一形態だと捉える
ことができ、そして、それらの形態をとるのにはそれなりの理由がある、
といったテーマについて考えました。

最後に、今日まさに始まったんですが、最後の2回をつかって、
資本主義の多様性について考えていく予定です。同じ資本主義と言っても、
ドイツや日本と、イギリスやアメリカでは、全く市場制度や
企業の行動のあり方は異なります。それがどのような仕組みでそれぞれ
成り立っているのか、グローバリゼーションがそれらにどのような
影響を与えつつあるのか、というようなテーマを扱うことになります。

こちらに来て色々勉強して分かったのですが、ドイツは相当日本と
いろんな面で(文化やら市場制度やら)似ていて、ドイツも同じように
グローバリゼーションに伴うアングロサクソン型経済の影響力の
拡大に対して苦労しています。一旦ドイツも日本も大きく成功を
してしまい、ある種特化した制度群が出来上がってしまっているため、
適応が難しい構造になっている、というのが大きなチャレンジに
なっているようで、今後の日本の行く末を考える上でも、
非常に興味深い2回になりそうで楽しみです。

さすがに、何週間もおいてると、長くなりますね。
残りの3つの授業については、また別途書こうと思います。近いうちに
書けるように頑張りますので、お楽しみに。
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